睡眠負債とは
日々の睡眠時間と質が不十分なことによって、心身にマイナス要因がたまっていく状態のことをいいます。
睡眠負債があると、起きている時間であっても1秒~10秒程度のごくわずかな瞬間、脳が防御反応として一瞬の間眠る症状「マイクロスリープ(瞬間的居眠り)」が起こります。
一瞬とはいえ、重要な会議中であったり、料理や運転中に発症してしまったらケガや事故に繋がりかねません。
マイクロスリープは本人や周囲も気づきにくく、夜勤や徹夜に限らず日常の睡眠負債によって起こる可能性があるため、注意が必要です。
「黄金の90分」とは
忙しくて睡眠時間を多くとれないという人でも、睡眠の「質」を高めることが何より効果的です。
逆に、十分に寝ているのに翌日疲れがとれないという人は、睡眠の「質」がよくない可能性があります。
睡眠の質を高めるために、「黄金の90分」というものがあります。
睡眠は「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」が交互に繰り返し行われ、眠りの浅いレム睡眠時に目覚めると覚醒しやすいことが知られています。
しかし、それだけではなく、入眠して最初に訪れるノンレム睡眠の90分間に、いかに深く眠ることができるかが、睡眠全体の質を高める上で最も重要になってきます。
成長ホルモン
良質な睡眠は疲労回復や自律神経を整え、イキイキと活動するために欠かせない成長ホルモンの分泌を盛んにします。
成長ホルモンは入眠後最初の90分間に、その70~80%が分泌されます。
そのため「黄金の90分」の眠りの質を高めることが、効果的な睡眠につながるのです。
〇睡眠90分前の入浴
睡眠を深めるためには、「体温」と「脳」の睡眠スイッチをスムーズに入れることが大切です。
「体温」の睡眠スイッチはカラダの内部の温度「深部体温」を「上げ下げ」することで入り、深部体温を上げるには「入浴」が最も効果的で、睡眠に適した体温まで下がるのに入浴後90分程かかります。
〇忙しい人には「足湯」でもOK
入浴ほど深部体温は上がりませんが、血行をよくすることで熱放散を促す効果があり、即効性の睡眠スイッチといえます。
〇季節に合わせて「室温」を調整
室温が高すぎると必要以上に汗をかき、低すぎると血行不良になり熱放散がうまくできず寝不足の原因に。
季節や個人の感覚に合わせて快適な室温に調整することも大切です。
「脳」の睡眠スイッチを入れるには、「単調」と「退屈」が鍵になります。
つまり、単調な状態だと頭を使わないですむため、脳は考えることをやめ、退屈して眠くなるのです。
〇決まった時間に寝起きする
眠りにおいてはスケジューリングがとても大切です。
睡眠の質を高めるためには、寝起きする時間を固定することが必要で、日によって早寝するよりも決まった時刻で寝たほうが、時間が短くなっても結果的に睡眠の質が高まります。
〇いつもと同じパターン
いつも通りの時間にお風呂に入り、いつも通りの時間にパジャマに着替えるなど、いつも決まった行動をとることも睡眠への単調さに効果があります。